しんきん経営情報 平成26年3月号 東京ベル

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東京都荒川区 東京ベル製作所
市川晃一社長、製造するベルは大小さまざま、カラーも10色が用意されている。

●自転車用ベルを製造して日本一。
身体を動かして移動する自転車は健康によく、省エネ、エコロジーにもなるため交通手段として見直されてきた。通勤にも盛んに使われるようになったため、専用レーンが設置された道路も多くなった。東京ベル製作所は、自転車用ベルの国内製造のトップ企業である。
東京ベルは、巣鴨にあった完成車メーカーのベル製造部門が1949年に分離独立したものである。今でもそうであるが、自転車業界は昔からぺダル、サドル、ブレーキ、チェーンなどを専門に製造する中小の部品メーカーと、それらの部品を仕入れて組み立てる石丸、ブリジストン、宮田のような大手の完成車メーカーとに別れている。東京ベルが独立したのは当時の通産省による戦後の産業振興政策があり、ベル製造メーカーを集めて日本ベル協業組合を結成させたことが原因のようである。零細な業界を守るため、初期の頃は通産省からカルテルが認可され、価格統制をしていたらしい。組合では毎月組合員にベルの生産量の割当てを決め、組合員は決められた量を生産して組合に納品していた。納品されたベルは、組合から完成車メーカーに販売されていた。
さて、消費者が自転車を購入するとハンドルには必ずベルが付けられている。昔から道路交通法により取付けが義務付けられているためで、消費者の好みにより選択することはできない。法律で義務付けられているため、完成車メーカーはベルの性能にはこだわらず、「単に音が出ればよい」という程度の認識で、価格が手頃であれば購入してくれた。そんな風潮のためベルの製造業界は進歩しなかったが、組合結成から20年ほどの間は自転車の販売数に比例してベルも売れ、産業としては成り立っていた。

以下、省略。