




葬儀という儀礼にデジタルの波が波及しています。
葬儀と言うと祭壇、生花、供養物などが並び、僧侶、神主、牧師が進行を仕切る、という十年一日のように変わらないアナログの世界でした。別離という人間の感性に訴える儀式なのでそうは簡単には変わらないものです。しかし、旧態依然の葬儀の中にもデジタル化という改革の波が及んできているようです。実は、葬儀の裏側では密かにデジタル化が進んでいました。それは葬儀の告知メールの発信、会場案内のポスター印刷、会葬者名簿の作成、返礼品のメール発信などでした。今回は複数の企業から、会葬者が直接目にすることのできるデジタル商品が展示されていました。
一段目の写真は、故人の写真5枚から動画を作成し、葬儀会場で閲覧できるサービスです。提出された故人の写真を読み取ると、10秒程度の動画を作成してくれます。あまり大きな動作を作成することはできないようですが、当人が笑っている表情や歩いている姿を作成できるようです。料金は比較的安価であり、従来の静止画ではなく、動く遺影ということになります。同じような内容のサービスをする企業が複数社見かけられました。どうも、既成の生成AIを利用しているようで、静止画を動画に編集する大本のソフトは同じではないかと推測されました。
二段目の写真は、巨大なデジタルサイネージを利用したデジタル祭壇です。これだけ大きなデジタル祭壇は初めてですが、液晶パネルが大型化してきたので、このような祭壇も可能となったようです。これなら大量の菊の生花を用意する必用はなく、図柄は簡単に変更できます。しかし、平面の祭壇では何だか味気ないような感じもしますが。
三段目の写真は、コンテナーを利用した利用した遺体冷蔵庫です。電源さえあれば何処にでも設置でき、遺体を保存することができます。大規模災害などで、被災地に運んで利用することができます。早速防衛庁から問い合わせがあったそうです。
四段目、五段目の写真は「おくやみエール」というビールを販売していたブースです。通夜、葬儀の際、遺族や会葬者に献杯して頂きたい、と説明していました。特別のビールではなく、横浜の地ビールにラベルを貼っただけなのでした。葬儀とビールがどのような関係があるのかは全く不明です。選挙では、選挙事務所に「当選」というラベルの日本酒が置かれているのと同じようなもののようで、単なるゲン担ぎのようでした。
2025年6月13日