どうしてこんな商品を開発するのか、理解不能です。


考えるのも大切ですが、試作する前に再検討してみてはどうでしょうか。

 昨年は東日本大震災があったため、防災用品が売れるはずだ、と各社が一斉に新商品と称する用品を販売(或いは試作)を始めたようです。このため、素人が考えてもおかしな防災用品も展示されていました。見本市会場に展示された膨大な商品の中から、ダメ商品を選んで寸評してみました。商品を見た人によって価値観が違うかもしれませんが、売れない新商品はやっぱり売れないのです。
 一段目の写真は津波対策のための救命胴衣です。これがあれば津波で流されても浮き上がって助かるのだそうで、ウレタンの会社が開発してました。だが、救命胴衣として販売するのであれば国土交通省による認定を受けなければなりません。するとこの救命胴衣は陸の上でしか使えないことになります。陸上を走るためにこんな重い胴衣を着用するのは奇怪しなことです。津波が来たら、胴衣などを着用する時間の余裕はなく、単純に走って逃げるだけです。胴衣を着けている間に津波が到着したら助かりません。
 二段目の写真は段ボールでできた棺桶です。段ボール会社であれば簡単にできるものですが、こんな粗末な棺桶に入れられた人にとっては災難なことです。そもそも、災害対策ように棺桶の備蓄はすでにあり、段ボールの棺桶など使いたがらないのです。
 三段目の写真は家族救命用の浮き球です。FRPで出来た球体であり、内部には4名程度が入る空間があります。この中に入って入口を閉鎖すれば津波にも浮き、流されても助かるということです。津波でも球体は浮くことは判るのですが、どこに流されるか判らず、場合によったら太平洋の沖にまで流されるかもしれません。ホントに助かるのでしょうか。
 四段目の写真はポリタンクを運ぶことができる自転車です。被災地ではポリタンクを運ぶのが困難なことを知って開発したのだそうです。車体の交半にはポリタンクを搭載できる空間があって、すっぽりと入れることができるのですが、ポリタンク以外の物を運ぶことは考えていないみたいです。ダックスフンドのように長い自転車は運転するのが難しく、使いにくいでしょう。肝心なことですが、こんな不思議な自転車を災害があるまでどこで保管するのでしょうか。アイデアは結構なのですが、実際に試作品を作ってしまう、という人がいるのがもっと不思議です。
2012年3月9日