年に一度の仏壇・仏具の仕入れをする見本市です。

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仏壇・仏具は社会の嗜好の変化に応じて常に進歩しているのです。

 今年も仏壇・仏具の見本市にでかけてきました。会場は台東区にある産業貿易センター台東館で、ちょうど浅草寺の二天門(東側にある入口)に面した位置にあります。この日も、台東館の前の道路を観光バスから下車シタ中国からの観光客が集団で歩いていました。(一段目の写真)。
 この日の見本市の主催者は、徳島唐木仏壇協同組合連合会であり、徳島県にある関係企業が出店していました。仏壇を製造している企業は全国に満遍なく存在するのではなく、特定の地域に偏って集まっているのです。主な集積地は、飯山、金沢、名古屋、京都、徳島、佐賀などです。これは木材の入手が容易であったり、彫刻の名手が多く居住したりしていた、という歴史的な背景があるようです。一般の購入者からすれば、殆ど無関係のことなのですが、これらの地域では仏壇・仏具の製造業者が多数併存しており、地場の有力な産業となっているのです。
 会場の風景は二段目の写真であり、商品の前では出店者と小売店の担当者とが一生懸命の商談をしていました。年に一度の商談であり、小売店は一年分の商品を仕入れると共に、購入の予約をすることができるのです。小売店の担当者は、今年に売れそうな商品を仕入れるため、顧客が好むようなデザインの商品を選んでいました。
 また、会場内では仏壇小売店のための経営セミナーを開催していました。三段目の写真では、経営コンサルタントが収益を上げるための方法や顧客集客のための宣伝方法などを解説していました。仏壇小売店も流通機構の変化(通販や製造業者の直売など)や仏壇の需要の低下(住宅が狭いために遺族が購入しなくなったり、宗教行事に関心を持たなくなったためなど)により、経営が大変なようです。
 今年も新型の仏壇が出品されていました。五段目の仏壇は上下二段に分離できるもので、上側が仏壇、下側が置き台です。仏壇のみを別の場所で使用するなら、分離して下側だけを置き台として家具のように使用できるというものです。
 六段目の写真は超安価な仏壇で、小売り価格は1万円程度らしいのです。三段に積み重ねてある一段部分が一つのユニットとなった仏壇であり、一応は祭壇、照明器具なども取り付けられています。箱は化粧合板で構成されている軽いもので、いわゆるカラーボックスと同じ素材のようです。一応は仏壇のように見えますが、ここまで簡略化されるとどうかな、と考えてしまいます。家庭の事情で仏壇は必要だが、それほど高価なものには支払えない、という人に向けられて開発されたのでしょう。
2017年5月8日