新商品の売れ行きは、要するに客のニーズにかかっているはずです。

　産業交流展で発表された新商品にあれこれとケチを付けてきましたが、全てがダメな新商品ということではなく、少数ですが売れそうなものも見かけられました。それらは購入しようとする客のニーズを読んでいたのです。
　一段目の写真は光源を使わない掲示板で、明るい場所でも文字を浮かび上がらせることができるものです。アクリル板に文字の部分だけ溝を彫り、周囲の光を集めて溝の部分に集中させて文字を光らせることができるものです。導光板の応用みたいなものです。電源を使わないところに特徴があります。答えを聞くと簡単な構造なのですが、応用すれば各種の利用可能性があります。
　二段目、三段目の写真は地図を何でも印刷してしまう、という企業です。バッグ、風呂敷、スカーフ、マグカップなどに特定の地域の地図を印刷し、みやげ物にしようという試みです。過去に出掛けたことのある観光地の地図ならば、後日になってみやげ物を見るたびに旅行したことを思い出すことができるでしょう。
　四段目と五段目の写真は趣味のための多目的家具です。キットになった柱と梁でコの字形となった構造体を組み立て、これを車庫などに設置するものです。梁からハンモックなどを吊り下げたり、側面には自動車修理の道具などを引っかけたりして整理できます。使い方は購入した人のアイデアによって変わってくるでしょうが、車庫のような空間をあれこれとした趣味に活用したい人には便利でしょう。
　六段目の写真は着物のレンタルです。最近は不要な着物を買い取り、中古として販売する企業がありますが、この企業ではタンスに眠っている着物を借り受け、顧客にレンタルするのです。手持ちの着物をこの企業に貸すと、顧客から得たレンタル料の一部が貸主に払われます。愛着のある着物ならば手放すこともなく、報酬が手に入ります。比較的高価な着物を持っている人がこの企業に預けているのだそうです。
２０１５年１２月１日