中小企業総合展は今年から少し変わりました。

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開催する会場が分散されました。

今年も「中小企業総合展」が開催されました。この見本市は中小企業基盤整備機構が主催し、中小企業庁、経済産業局などの官公庁が後援するという国家的な事業です。全国の中小企業のなかで「やる気があって」、「新商品を全国に販売していく気概があり」、「新奇な商品を開発している」企業を見本市に引き出して発表させる、という極めて理想の高いものです。このため、全国の自治体などから推薦されたような中小企業ばかりで、怪しげな企業はなく、真面目な企業ばかりです。しかし、毎年開催しているので少々マンネリ化しており、改善の余地があるのではないかと思ってます。
今年からこの総合展は大きな変化があり、従来は東京と大阪でそれぞれ年一回づつ開催していたのですが、東京では4回に別けて専門化した見本市に変貌しました。それはテーマを次の4つに分けたのです。
①金属加工、機械要素・部品・素材等(今回のもの)
②インターネプコン(平成26年1月開催)
主に製品等がエレクトロニクス・電子部品分野
③ギフトショー(平成26年2月開催)
地域の中小企業が自ら製造した新製品、サービスなど。
④フーデックス(平成26年3月開催)
地域の中小企業が自ら製造した食品などの商品。
つまり、①は中小企業基盤整備機構が独自に主催するのですが、②、③、④では民間会社が主催する見本市の一角を借り上げ、そこに中小企業を出店させようとするもので、早く言えば見本市出店の助成のようなものです。税金を使って、安い出店料で民間の主催業者が実施する見本市に出店させることになります。
従来は「中小企業」という枠組みであれば誰でも出店できるので、何でも有りの見本市でした。金属加工の企業も、ソフト開発の企業も、食品加工の企業も一緒くたになって一つの会場に入ってました。これではテーマが絞られず、来場者は何を目的にしてブースを見て回ったら良いか判らなくなります。4つに分科することはいいことで、出店する企業も商談の目的を絞ることができます。ただ、民間企業主催の見本市に出店させることになるため、どの程度の成果があるか問題となりそうです。
二段目の写真は今年の会場風景です。今年は3日間で5万4千人が来場した、と発表しているのですがそんなに多くの来場者がいたか少々疑問です。三段目の写真は、ご存じの大田区にある「北嶋絞製作所」です。絞り加工では日本でも有数の技術を保有していて有名であり、毎年のように実演をしています。テレビや雑誌などでも優良な中小企業として紹介されてますが、何度も見ると食傷気味になります。
今年の大きなテーマは「日本の中小企業を海外に進出させる」ことのようです。四段目の写真では、海外に工場を進出させたい中小企業がテレビ局にインタビューされていました。このブースは五段目の写真にあるように、ミャンマーに進出あるいは工場移転したい中小企業と現地の企業とを接触させる場でした。民主化になったミャンマーでは人件費が安いので、製造業にとっては魅力があると宣伝しているようでした。人件費が安ければ製造コストが安くなり、日本の中小企業にとってメリットがある、というの主旨でしょう。しかし、中小企業にとって海外進出は魅力のあることがどうかは疑問です。それよりも、国内で生産しても十分に利益の出ることを考えた方が早いのではないかと思うのですが。中小企業をミャンマーに進出させたいのは政府の政策のようで、民主化となったミャンマーの政権に何とか取り入ろうとしているのが見え見えです。海外に工場を移転させれば日本国内での労働市場が失われ、失業者が増加します。中小企業庁ももう少し国内での製造を支援して欲しいものです。
2013年11月10日