古い技術なのですが、何とか活用できないでしょうか。

とにかく、何かに転用できれば利益の出る技術なのですが。

 なにやらビデオで作業工程を説明しているブースがありました。加工機械が大きいので会場には持ち込めず、動画での説明でした。製品は二段目の写真にあるように、アルミの深絞り加工で、各種の加工品が見本で並べられれいました。この深絞り加工は、今流行りのチタンや鋼などの素材を対象としたのではなく、アルミだけなのです。柔らかい素材のために比較的簡単な機械で加工でき、戦前は多くの企業が参入していたのですが、現在は3社にまで減った、とのことです。現在の主な用途は、二段目の写真中央にあるようなマジックインキの胴部分なのだそうです。この忘れ去られたような古い技術を何か他の商品に転用できないか、と今回出店したのだそうです。
 三段目の写真は何だかよく分からないものが並んでいるのですが、近寄って奥の商品を写したのが四段目の写真です。写真の左半分にある青いシートは放射能遮断用のシートなのだそうで、内部には薄い鉛の板が挟まれていました。一枚が10キロ近くあり、ズッシリと重いものでした。ニュースなどで見る福島原発の事故現場ではあちこちに使われているのを見ました。ニュース映画に出てくる放射能遮断シートの現物でした。写真の左にあるバケツのようなものは、ポリバケツの内部に鉛板を貼ったもので、放射能を発生する物質を移動したり保管したりするために使用するものだそうです。この会社は放射能汚染の防止や遮断のための資材を製造・販売している企業で、それまでは目立たなかったのですが、昨年の原発事故以来注文が殺到して大忙しなのだそうです。
2012年3月8日