鉄道関連の商品だけを展示した鉄道技術展にでかけました。

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マイナーなテーマなのですが、実は巨大なマーケットでした。

 幕張メッセで開催された「鉄道技術展」に出掛けてきました。この見本市は初めてなのですが、2年に1回開催されているものでした。鉄道技術と称しても車両を製造する企業向けではなく、主に鉄道の建設工事や保守点検に関連する企業向けの見本市です。従って、鉄道車両を趣味とする人達には余り関心を持たれない商品、技術が殆どです。日頃は電車を利用する人が多いのですが、工事や保守などは地味なものであり、表に出ることは極めてまれな業界と言えます。会場に出店している企業名を観察すると、今まで聞いたことの無いような企業ばかりで、新聞、テレビなどの広告でも見かけることはありません。
 しかし、会場を巡って観察したのですが、鉄道技術に関連した商品・技術は極めてニッチなものであり、発展性のある面白い業界と痛感しました。その理由は次のようになります。
 (1) 市場が巨大である。
 全国に鉄道会社は多数あり、毎日数万本の車両が稼働している。これらの車両を安全に運行させるためには毎日のように保守・点検が必要となり、動員する作業員の人数は膨大であり、予算も巨大である。
 (2) 特殊な技術・商品が使用されている。
 鉄道に向けて開発された技術・商品であることから、他の業界には転用することはできない物ばかりである。従って、極めて狭い隙間商品が供給されていることになり、名前のしられていない中小企業の商品であっても購入してもらえる。
 (3) 業界が閉鎖的である。
 鉄道会社は限定されているため、販売先が決まっている。新規に鉄道会社を興すことは稀であり、営業先は限られている。このため、購入側と販売側とが癒着している面もあり、新規に鉄道業界に参入することは難しい。だが、一旦この業界にもぐり込めば車両が走行している限り商品を売りつづけることができるメリットがあるようだ。
 (4) 価格が比較的高い。
 特殊な業界であり、その業界でしか使われない技術・商品であることから単価が高くなっているように思われる。裏返すと、利益率が高い物ばかりと思われる。安全性を優先する業界であることから、価格が高くとも購入して貰えるのではないかと推測される。このことは、会場内での販促品の配付からうかがうことができる。他の見本市に比べると、ボールペン、記念品などの販促品は大量に来場者に配られていた。各出店者にはそれだけ余力があのではないかと思われた。
 (5) 技術分野が極めて広い。
 鉄道に関連する技術・商品と言っても、単純に鉄路の工事・保守に関連する物ばかりでなく、レール、砂利、コンクリートの素材業界、駅舎などの建設業界、鉄道運行関連のコンピュータ業界などが関連していて、関連する産業の裾野が極めて広いのである。
 2年に一度の見本市のためか、会場には多数の関係者が来場していました。鉄道会社、鉄道の保守会社、土木建設会社の従業員ではないかと思われます。また、女性の来場者も多く見かけられ、業界の知識を見聞するために派遣されたのでしょう。また、フィリピン、インドネシア、タイなどの東南アジアからの来場者も目立っていました。あちらの国の鉄道関係者ではないかと思われます。
 さらに、出店者の方も外国からの企業が目立っていました。外国の企業と言っても殆どがヨーロッパの企業であり、鉄道発祥の地であることから歴史があり、日本に技術を売り込みたいのでしょう。6段目の写真はフランスの企業で、ヨーロッパの新幹線の売り込みをしていました。7段目の写真はヨーロッパの鉄道関連企業の共同ブースで、熱心に営業を行っていました。
2019年12月30日