中小企業ならではの、小回りのきくアイデアでしょう。

　新価値創造展には、中小企業ならではのアイデアで製造された商品が並べられていました。一段目、二段目の写真は、作業工程を撮影して映像のマニュアルを制作する会社のブースです。最近は技能承継の必要性が叫ばれていて、退職していく職人の技術を記録として残すことが盛んになっています。それほど多くの需要があるのではありませんが、そんな特殊な撮影を受注したいのでしょう。
。三段目、四段目の写真は、水入りのタオルです。ウエットティッシュなどのように、水を含ませた不織布は既に存在します。しかし、ウエットティッシュでは夏場に気化熱による身体の冷却はできません。タオルに水を含ませて封入することも考えられますが、径年によりタオルが腐食するか水が濁ってしまいます。この会社では、水と乾燥したタオルを別々の袋に封入し、使用する際には両者の仕切りを破いてタオルに水を浸透させるようにしています。この構造であれば、夏場などの屋外で濡れたタオルがその場で用意でき、身体を冷やすために活用できます。袋を破いてタオルを濡らした状態は、四段目の写真の右端にあるタオルです。
　六段目の写真は、或る鉄工所が製造した傘立てです。鉄の丸棒を切削して穴を開け、台に溶接したものです。棒の穴に傘の石突きを差し込めば、傘が直立して保持されます。ただし、売価は３万円であるとのこと。オイオイ、こんな傘立てに３万円を払う人はいるのかい、と言いたくなりました。始めて出店する見本市のために、自社製品ということを打ち出すために思いつきで間に合わせたのでしょう。
２０１７年１１月２３日