行政区域ごとの商談会は開催を考え直す時ではないでしょうか。

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地元で商談会を開催しても、それほど効果が出るとは思われません。

今回は府中市で開催された「ふちゅうテクノフェア」という商談会にでかけてきました。この商談会は別名を「府中市工業技術展」と称して、地元の府中市内にある工業系の中小企業が出店し、新技術を開示すると共に交流の場を提供しようという趣旨のものです。府中市には昔から東芝の工場があり、その周辺には部品などを納品する中小企業が沢山あるため、大田区などと並んで技術力の高い町です。今年は第27回ということで、結構長く続いている商談会のようです。ローカルの商談会のため、それほど期待して出掛けたわけではないのですが、正直ガッカリしました。
この商談会の主催者は「府中市」であり、後援は「むさし府中商工会議所」「府中市工業技術展実行委員会」であり、賛助団体には「東京都中小企業振興公社」など10社以上があり、運営主体は立派なのですが内容がショボイのです。これは長年の行政のマンネリで、役所指導の弊害がそのまま現れたのではないかと推測します。
会場は、府中市市民会館、別名ルミエール府中という建物で、京王電鉄府中駅から徒歩10分程度の近さに位置して便利な場所でした。比較的最近建てられたようで、きれいでした(一段目の写真)。建物の入口にはそれらしい看板が立てられているのですが、どうも雰囲気が悪いのです。建物に入館する人達は会社員や自営業者の姿は少なく、何故か小学生ばかりが吸い込まれていくようでした(二段目の写真)。どうも商談に来館する人達よりも、ここの内部にある他の施設を利用する目的のために来館する小学生とその保護者ばかりのようでした。ホールにはブースが設置されてましたが、出店者数は42社と極めてこじんまりとした会場でした。出店者が少なく、来場者も少なく、会場はガラガラ野状態でした(三段目の写真)。主催者はあれこれとメディアを使ってこの商談会の開催を告知したのでしょうが、出店者が少ないので会場そのものに魅力がなく、わざわざ都心から府中まででかけるような見学者はまれなのです。すると、来場者の多くは地元周辺に事業主に限られることとなり、顔見知りの人達しか集まらない結果となってしまうのです。
出店者が少なかったので、大学や金融機関のブースも開設していましたが特に関心を示す来場者もおらず、閑散としてました(四段目の写真)。会場の隅ではロボットのペッパーを使って、最新の技術をアッピールしてましたが、子供と親しか参加してませんでした(五段目の写真)。
出店者については、地元の中小企業に参加を呼びかけたようですが、既に状況を察知している中小企業主は参加しないでしょう。すると、参加する中小企業が減少するため、主催者としては無理を言って参加してもらっているのが実情かもしれません。過去の義理で参加している企業ではそれほど魅力のある商品を出品せず、悪循環でさらに会場の雰囲気が悪くなっていくのではないかと思われます。
府中市がこの商談会を最初に開催した頃には、中小企業向けの商談会が珍しい時期だったのでまだ魅力があったのでしょう。しかし、東京西部の行政市ではどこでも似たような商談会を開催し、それに義理で地元の中小企業が出店しているのです。隣の町で商談会を開催したので我が町でも開催しなければ、という役人の企画だったのでしょう。この商談会は27年目となったので、そろそろ開催を考えなおさなければならない時期にきたと思います。たとえば、隣接する市町で共同して、都心の催事場を借りて商談会を開催するとか、東京ビッグサイトに進出するとか、を考えた方が良いでしょう。
2016年10月15日