中小企業なので発想は豊かなのですが、売れるかどうか?

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玉石混交という状態ですが、この会場では年々石が増えているような気がします。

新価値創造展は中小企業のモノ造りを主体としているので、全国から面白い発想の商品が出品されます。売れるかどうかは不明ですが、その発想を研究するには最適な場なのです。今年も色々と新商品を見学してきました。
一段目の写真は岐阜県から来た企業で、脳に刺激を与えて記憶力が良くなるという特殊な溝を彫った下敷きを出品していました。本業は建築業なんだそうで、この下敷きを全国に販売していきたい、と力んでいました。
二段目の写真は8輪走行の10人乗り電動自動車で、実際にナンバーを取得して群馬県で走行しているのだそうです。地方都市での観光案内や高齢者向けに販売したい、と解説してました。このような乗物を開発する中小企業は結構多いのですが、私はあまりお勧めしません。人を乗せて動くことから目立つので、マスコミなどは大々的に取り上げてくれるのですがまず売れません。自動車産業は大手による寡占があり、中小企業が進出できるような土壌はないからです。
三段目、四段目の写真は鯛焼きの型を製造するメーカーのブースで、巨大な鯛焼きの型とそれによって作られた鯛の見本(石膏ですが)が展示されてました。これは実用品ではなく、この大きさの鯛焼きを作れるのではありません。なお、鯛焼きの型を製造するメーカーは全国にあちこちあり、ニッチな製品ではないそうです。
五段目、六段目の写真は純国産の畳を製造・販売する企業のコーナーです。一般住宅で使われる畳では、輸入素材を使ったり、芯に発泡スチロールを入れたりしたものが大半なのだそうです。国産の藁を芯にして、国産の井草を畳表にした昔ながらの畳はほぼ壊滅状態なのだそうです。この会社では、契約した農家から藁を購入し、九州八代の井草を使った畳表で畳を製造しているのだそうです。そんな馬鹿高い畳を使う需要があるか、と疑問になったのですが、寺社仏閣や国宝級の建物ではどうしても昔の製法で製造した畳が必要なのだそうです。また、畳製造の技術を絶やさず、国内産業振興のために補助金も出ているのだそうです。この会社は全国の特殊需要のために仕事が忙しい、と申されてました。
2016年1月23日