年1回の中小企業のための特別な見本市なのです。

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新しい商品を見ることができるので、毎年心待ちにしています。

 毎年、晩秋に開催される「産業交流展」にでかけてきました。今年で18回目ということで、長続きしている見本市です。主催者は東京都なのですが、近隣の県も協賛しているため、出店者は東京都のみならず、埼玉県、千葉県、神奈川県に在住する中小企業も多くみかけられます。
 この見本市の一番の特色は、毎年新商品が展示されることです。しかも、出店者が中小企業であることから、大企業による新商品のように一般普遍的なものではなく、発想が奇抜で特殊なものばかりなのです。今年もこの見本市でどのような変わった新商品が発表されるのかワクワクしています。そんな期待感を持って出掛けてきました。ただし、出品された新商品の大部分は売れず、翌年には姿を消しているのですが。
 今年の出店者数は906社、881小間と巨大な数となり、それぞれのブースを覗いていたらとても一日では全てを見ることができません。出店者数が多いのは、それだけ中小企業が顧客を開拓して商談に結び付けたいと考えているからでしょう。
 今年の主要なテーマでは、情報、環境、医療・福祉、機械・金属の4つの大きなゾーンを設定し、これらを成長分野と位置づけていました。その他に、クールジャパンと称して日本食の紹介をするゾーンも設定しましたが、これはモノ造りでは無いために見学を割愛しました。今までの産業交流展では「食品・料理」などのブースは出店させなかったのですが、海外での日本食ブームに便乗したのではないかと推測されます。出店申込み者が少なくなったので新たに食品関係の企業を呼び込もうとしたのか、これから発展する分野を先取りしたのか不明ですが、製造業と飲食業を一緒にするのは考えものです。主催者としては苦肉の策ではないかと思われました。
 さて、今年の来場者数は1万3千人ということで、昨年よりも増えていることになっているのですが(主催者発表)会場のどこも人影がまばらで、スカスカでした。これには色々な問題があるからかと考えられます。
 まず、ブースの設定なのですが、各小間はそれぞれ1社が独占して利用するのですが、大きく分けて「単独参加」と「集団参加」があります。「単独参加」は当然のように、1社が独自に申し込みをして、分野ごとに別れたゾーンに振り分けらているものです。「集団参加」では、区や商工会議所、特定の団体が一つの島(10から16小間程度)を借り切って、その島の中に会員企業を振り分けていくものです。二段目の写真は台東区、三段目の写真は町田市、四段目の写真は足立区、五段目の写真は墨田区の島なのです。一つの島に同じ区内の業者や知人が出店することから、仲間意識が出来て出店が気楽なのでしょうか。しかし、これらの島では出店する企業の顔ぶれがいつも同じなのです。このため、商品も変わりばえせず、説明する社員もあまりやる気がなさそうです。島は公共団体や商工会議所が借りるため、その会員の中から出店を要請するみたいですが、出店者の中には義理で出店しているような感じも受けられました。そろそろ、このような義理参加は止められた方がいいのではないでしょうか。
 六段目、七段目の写真は、クールジャパンと称したゾーンで、東京の工芸品を展示していました。スダレの製造と版画の製造を実演してました。これも出店者の減少を補うために考えた苦肉の企画なのでしょうか。他に出店させてみたい企業も多くあるはずです。
2015年12月1日