東京都でもローカールな地域の見本市でした。

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その昔、板橋区は工場地帯だったのです。

 今回は東京ビッグサイトのような大がかりな見本市ではなく、板橋区で開催された小さな見本市の「いたばし産業見本市」にでかけてきました。「板橋区」といえば、東京では下町のような庶民的でもなく、田園調布のよな超高級でもない住宅街を連想されます。高級と低級の中間にあたる中級の住宅街ではないかと想像されるのですが、一応は23区なので戸建て住宅もそれなりに高額となり、サラリーマンの収入では手も出ません。サラリーマンが購入できる戸建てなら、板橋区よりももっと先の志木市や所沢市になってしまいます。そんな地勢のある場所で、工業製品を展示する見本市が開催されるというのは不思議に思われるかもしれません。しかし、終戦直後の板橋区は畑が多く、ここを開拓して無数の中小企業が活動していたのです。そこでは大型の商品ではなく、小物の商品が製造されていました。比較的有名なのは光学製品であり、レンズや顕微鏡などを製造する中小企業が多くあり、戦後の輸出商品の花形でした。その後、板橋区には個人住宅が建築されるようになると、それらの中小企業の一部は埼玉県などに移転してしまいましたが、それでも未だ多数の中小企業が営業を続けているのです。現在も板橋区で活動している中小企業を支援するために、この見本市が開催されているのです。
 この見本市の主催者は板橋区産業振興公社という公共団体で、毎年開催していて今回は19回目となることから結構長続きしているようです。会場は東板橋体育館で、地下鉄板橋区役所前駅から徒歩10分くらい、JR板橋駅からなら15分くらいの少々ひなびた場所にありました。普段は区民のために利用する体育館を会場にしており、二段目の写真のように天井が高くていかにも体育館という造りでした。会場内には地元、近隣の中小企業のブースが連なっていて、出店者は約70社と小振りな見本市でした。
 ここの出店者にはモノ造り系の中小企業が多く見かけられ、光学製品の製造メーカー、射出成形のメーカーなどがありましたがなぜか印刷会社のブースが目立っていました。多分、どの印刷会社も競争が厳しくて、顧客開拓に必死なのでしょう。また、四段目の写真のように官公庁のブースや大学研究室のブース、金融機関のブースがやけに目立ってました。地元の製造メーカーが少なくなってきたので、公共団体などに出店を要請したのかと勘繰りました。
 この日には特別講演があり、テレビでお馴染みの経済評論家の三橋貴明氏が熱弁を振っていました。いつもはテレビ画面でしかお見かけできない本人を間近で見えるので、狭い会場には人だかりがありました。この見本市での目玉のようで、この講演だけを見るために来場した人もいたようです。主催者としては、集客のために相当な負担をしたのではないかと思われました。
2015年11月14日