中小企業のための見本市なのですが、一味違ったセンスが欲しいものです。

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最近は金融機関の主催による見本市・交流会が増えているのですが。

 東京国際フォーラムで開催された「江戸・TOKYO 技とテクノの融合展」にでかけてきました。タイトルに「江戸・TOKYO」とあることから東京の中小企業が出店の対象となっているのですが、意外に近県にある企業からも出店がありました。また、「技とテクノ」とあることから、技術系でモノ造りを対象としているかと思ったら食料品やサービス業の出店もあり、あまりタイトルを気にせずに各種の中小企業が出店していました。
 主催者は「東京信用保証協会(略して、東信協)」という団体で、中小企業が融資を受けた場合に万一倒産などした時に借入金を保証して弁済する仕事をしています。要するに、借入金を返済できなくなった場合に、借主に代わって借入金を返済するという仕組みなのです。個人が住宅ローンを借り入れる際に団体生命保険に加入し、借主個人が死亡した場合に遺族に代わって住宅ローンを返済するのと同じシステムなのです。中小企業が金融機関で事業資金を借り入れると半ば自動的に保証協会を紹介され、協会が保証人となって借入金の返済を保証するのです。
 すると、東信協のお客さまは地方銀行、信用金庫、信用組合であり、中小企業とは直接関係が無さそうで、どのような理由で東信協が商談会を主催するのか不明です。最近はあちこちの地方銀行、信用金庫がそれぞれ独自に商談会、見本市を開催しており、中小企業にとっては自社製品を宣伝・販売するには絶好のチャンスかもしれません。しかし、これほど商談会、見本市が乱立してくるとそれぞれの特色が薄くなり、マンネリ化となってきているようです。
 今回の商談会の会場内には顔見知りの中小企業も何社か見かけられ、どのような理由で出店したか尋ねてみると「出店しても商談にはつながらないことは判っているけど、借入している信用金庫から頼まれたので付き合いで出店しました」と返事してきました。顧客が固定していて無理して販路を広げなくとも売上げが見込まれるような中小企業にとっては、わざわざ商談会に出店するのは煩わしいことなのでしょう。借入があるために、金融機関の顔を立てるために商談会に出店するのは本末転倒ではないかと思われます。成果が見込めない商談会に出店する当該中小企業にとっては、出店するための費用や時間が無駄なことなのです。そろそろ、中小企業向けの商談会、見本市は整理しても宜しいのではないでしょうか。
 二段目の写真は東京の伝統工芸を展示したコーナーで、主催者の地元にある江戸時代から続く職人の技を展示していました。似たような展示は大手デパートなどでも時々開催しており、職人が実演製作して即売しているのとほぼ同じです。ただ、この会場にあるように多数の伝統工芸品を展示することは珍しいでしょう。会場内には三段目の写真にあるように、職人がすだれの製造を実演していて、なんともノンビリした雰囲気でした。
 四段目の写真は三味線を展示ているブースで、ここでは五段目の写真にあるように三味線の組み立てキットを展示していました。キットに好みの色などを塗り、自分独自の三味線ができるのです。キットの製作では、プロが製作方法を指導する教室も開催しているのだそうです。
 六段目の写真では、来場者が若い女性を興味深く眺めていました。高校生のような感じのする女性ですが、裏からみると七段目の写真のようにスカートからケーブルが出ているロボットでした。この女性ロボットは対話型のロボットで、来場者の質問にあれこれ合成音で答えてました。このロボットは良くできていて、暗がりで見たら本物の女性と間違えるかもしれません。
2015年10月9日