国産の縫製機械の性能がいいとは限りません。
衣服の縫製につかう業務用のミシンなどは中国でコピー商品が多発し、日本製はあまり輸出されていない、と聞きました。中国の一つの縫製工場ではミシンを何千台も使用するのですから、安価な中国製に手を出すはずです。しかし、耐久性の問題や特殊な加工ができる能力のある日本製のミシンは中国にも輸出されているようです。
日本製の縫製機械は優秀であると思われているのですが、実は、かなり特殊な機械では外国製の方が能力があるケースもあります。一番目の写真はボタンを洋服に縫い付ける機械で、二段目の写真のように出来上がります。国産でも似たようなボタン付けの機械はあるらしいのですが、1本の糸でボタン付けとかがり付けを処理できるのはこの機械しかないのだそうです。チェコ製で、1台600万円するとのこと。ニッチな商品の見本のようなものでした。
三段目の写真で、棚に飾ってあるミシンは工業用ではなく、全て家庭用です。近寄って値段を見ると70万円でした。この他にも、輸入物の家庭用ミシンで100万円以上するものも珍しくはないそうです。洋服を縫ったりする手芸は趣味の世界となり、どのようなミシン掛けでもできる超高級な家庭用ミシンの需要がでてきたらしいのです。要するに、家庭用ミシンの差別化であり、高価なミシンを購入しても手芸作品の質を追求していく趣味の人が増えてきたためです。こうなると家庭用ミシンもベンツやロールスロイスのような扱いになりそうです。
2013年10月11日