地球温暖化防止は未だ未開拓です。








温暖化防止は世界共通の問題なのですが、解決方法は?

 「地球温暖化防止展」での目的は、炭酸ガスの排出を防止し、大気中の炭酸ガスの濃度を少なくして温暖化されることを防止する技術や機械を展示することです。もう、何年も前から叫ばれていて、官民挙げて色々な対策が提案されてきましたが、これと言って大きな打開策はないようです。
 最初に飛び込んできたのはモルディブ共和国大使館のブースでした。大使館がこのような設備機械の見本市に出店するのは場違いなのですが、温暖化対策はこの国の死活問題なため必死なのです。モルディブはインド洋に浮かぶ小島の国であり、地球温暖化により海面が上昇すると島が消滅してしまう危惧があります。そのため、地球温暖化の防止をアッピールしているのでした。しかし、本当の狙いは、島で発生した産業廃棄物の処理に困っていて、国などからの支援や援助を期待しているようでした。
 今年の温暖化防止展で目立つのは、バイオマスによる木材の処理装置でした。廃材や間伐材などを廃棄するのではなく、燃料として利用し、循環型の社会を育成していこうとするものです。二段目の写真は里山にある樹木をどのように活用していくか、を説明していたブースで、学校の教室のように机を並べ説明していました。学習塾のような雰囲気で、面白いブース設営でした。また、間伐材の活用では、ペレット化して燃料に使用するためのシステムが多種類展示されてました。三段目の写真は、間伐材のチップをペレット化し、そのペレットを四段目の写真にあるような専用のストーブで燃焼させようとするものです。この技術は新しいものではなく、北欧などでは数十年前から実用化されていて、珍しいものではありません。木材のペレット化は理想的なのですが、どこかに致命傷があって普及しないのでしょう。
 五段目、六段目の写真は間伐材による発電システムを展示しているブースです。山村にプラントを設営し、間伐材により発電させることができるもので、山口県では実用化のための運転を行っているところもあります。これはニュースなどでよく紹介されているのでご存じかと思います。林野庁などが助成金を出して普及に努めているのですが、これもどこかに欠陥があって理想論のように普及していないようです。
 温暖化防止のための機械はあれこれと出品されてましたが、なかには少々怪しげな商品も見かけられました。七段目の写真は木材を燃焼させ、その熱でスターリングエンジンを動作させ、発電させようという装置です。理論的には正しいのですが、採算性から考えるととても実用化できるものではないでしょう。公共団体による温暖化防止のキャンペーンなどには利用できるかもしれませんが。
2013年6月4日