大企業の参入で業界が変わるかも。

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ことしのフューネラルビジネスフェアの会場には、何と三菱電気の看板が立っていました。10コマ程度の広いブースには液晶パネルなどの電気製品が展示されていましたが、一番驚かされたのは二段目の写真にある棺桶冷却装置です。写真ではわかり辛いのですが、遺体を収めた棺桶をこの冷却ケースに入れ、棺桶ごと冷却させることができるものです。冷却ケースの位置が高いのは、ケースの下に冷媒の圧縮機を収納してあるためです。
この冷却装置そのものは従来からある冷凍技術の延長であり、新規な技術でも進歩したものでもありません。冷媒を利用した冷凍技術は既に成熟したもので、町工場程度の企業でも製品化することができます。私が今回一番驚かされたことは、三菱電気が葬儀業界に参入してきたことです。今までも棺桶を冷却する装置は何社も見本市に出品してきたのですが、それらの企業は小さな信頼性の薄い企業ばかりでした。葬儀業界という特殊な分野は、昔からの慣習が強い業界であり、今までは葬儀業界を編成していた企業は何れも中小零細企業ばかりでした。悪く言えば閉鎖された社会であったとも言えます。
これは何を意味するかと言えば、一つは葬儀業界が健全化してきたことでしょう。また、業界の内部が知られてきて古い因習も少なくなり、新規に他分野から業界に参入することができるようになったからかと思われます。何れにせよこの業界にも再編成が始まり、昔ながらの経営を続けている企業は淘汰されることになるでしょう。
2011年7月2日