少ないけれど新商品もありました。

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業界全体が活発ではないのですが商品開発を期待してます。


 今年の環境展では出店者が少なかったことから、新商品はあまり見かけられませんでした。どうも、業界自体が縮小しているらしく、新商品を開発するような雰囲気ではなさそうです。それでも何点かは面白い商品と出会いました。
 一段目の写真は割れたガラス屑から色選別する機械です。ガラス瓶には着色してあるものが多く、色が混じったガラス屑はそのままでは再利用できません。従来は産業廃棄物として埋めるか道路の舗装材料の一部に利用されていた程度です。この会社では、ガラス屑を色選別して有用な色(無色と青色らしい)の屑を選別する機械を発表していました。要するに、ガラス屑を飛ばしてその色を瞬時に判別して着地点を変えることで選別しようとするものです。機構的にはプラスチックの選別などに従来から用いられていたものであり、新鮮なものではありません。この機械を開発したのは大手ガラス瓶メーカーであり、自社での使用が可能だったからでしょう。廃棄物も選別してからの用途が無ければ機械などを開発する会社は成り立たなかったのです。
 二段目の写真は排水の浄化装置です。家庭などから出る生活排水を浄化してそのまま放流させるものです。写真の左側にあるブラシのような回転体に微生物を付着させ、細菌による分解作用で排水を浄化させようとするものです。要するに、従来から使用されている浄化槽の回転版であり、これ一台で数十軒の家庭の生活排水を浄化できるのだそうです。以前から発表されていた商品なのですが、海外では設置の実績があるそうですが、日本での利用例は極めて少ないとのこと。その原因は国内の法規制にあるようで、下水道の設置にはお役所の許可が多数必要となり、民間会社が道路を掘って下水道を整備してはいけないらしい。新製品を普及させるために、根本的なところで規制緩和して欲しいものです。
 三段目の写真は、家庭ゴミの処分場で使用するゴミ袋の解体装置なのです。家庭から出る生ゴミはビニール袋や手提げ袋に入れられて回収されます。ゴミ処分場では、まずこのビニール袋などを切り開いて生ゴミを取り出さなければなりません。写真の左にあるホッパーから生ゴミ入りビニール袋を投入し、内部の刃物でビニール袋を破いています(これは従来の構造)。しかし、全てのビニール袋が破かれる訳ではなく、小さなビニール袋は破けないのだそうです。従来は作業員がナイフを持っていて、開かれなかったビニール袋をナイフで破いていたのですが効率が悪いものでした。それで、写真の右側にある小さなホッパーに入れて再度ビニール袋を破くのだそうです。中央にあるコンベアーから破かれなかったビニール袋を取り上げて、小さなホッパーに投入するのは人力なのです。なんと原始的なことでしょうか。形が千差万別な家庭ゴミでは自動化するのは困難なようで、これからも人海戦術に頼らなければならないようです。
2010年6月11日