いつも見本市で見かける新商品です。

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よくできてるのですが、マーケッティングは大丈夫なのですか。


 「ベンチャーフェア2008」で見た、地方発の失敗商品です。東京で開催される見本市には、必ずといっていいほど地方の中小企業から独自に開発した新商品が発表されてます。それらは比較的一般に利用されるもので、これから発展されるのではないかと予想(開発者の思い込みですが)されている商品です。そして、それほど高度な技術を必要としないものであり、在来の技術で組み立てることができるものです。その一つの商品の種類が、「車椅子」なのです。これからの高齢化社会に必要で、需要が増えると見込まれ、町工場の技術でも開発できるような商品なのです。そのため、地方の中小企業が必ずといっていいほど手を染めたがる分野なのです。しかし、車椅子の業界は競争が激しいものであり、中国製の安価な車椅子はディスカウントストアでは数千円で売られているのが実情です。また、この道数十年という専業メーカーも存在しており、競合メーカーは多数あります。そんな中で地方の中小企業が車椅子の新商品を開発するのは大変なことです。
 写真の車椅子は「竹材」で組み立てたことが特色で、地方の中小企業から出品されたものです。竹材を薄く切断して合板とし、曲げ加工して組み立ててあります。スポーク部分を除いて全て竹材を使っているので、弾力があってクッション性が良いというのがうたい文句なのです。相当に工夫はしているのですが、問題は価格です。三十数万円という金額なのですが、これだけの金額でも購入するだけの利用者がどれだけいるかマーケットが読めません。全て手作りであることからこの金額になるので仕方がないのですが、老齢者にとっては高額なものです。商品の品質が高いことと売れ行きが良いこととは別ではないでしょうか。
2008年3月9日