老人だって周りの目が気になるんです。

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老人にも人格があるんです。
恥ずかしくなるような商品は使いたがらないはずです。


 「東京ビジネスサミット」の会場で見つけた新商品です。歩行補助車(車椅子ではない)に簡易便器を付けたものです。筋肉の弱ってきた老人がこの車を押しながら歩行し、疲れたら椅子に腰掛けて休むことができます。便意をもよおしたなら座席を持ち上げて、ビニール袋を入れた簡易便器を露出させて用を足します。要するに、今まで介護用品として知られている、歩行補助車と便器付き椅子を組み合わせたような商品です。この会社の社長の老母が要介護者で、おむつをするのは嫌がるが、外出をしたい、という要望に答えて製作したものなんだそうです。外出先の何処ででも用便をすることができ、おむつをしなくても済むことになります。
 だが、このような商品を利用する老人はいるでしょうか。衆人の視線がある外出先の道端や町中で、排泄するような老人はいないでしょう。一応は、補助車の周りを遮蔽するようにカバーが用意されていますが、老人であっても町中での用便は嫌なものでしょう。使う老人の心理を考えていない商品ではないかと思います。また、排泄物を投入したビニール袋はどのようにして持ち運ぶのでしょうか。まさか、道端のバケツに捨ててくるようなことはしないかと思いますが、自宅まで持ちかえってくるのでしょうか。介護する人の労力までも配慮していないと思われます。
2006年11月18日