落ちぶれたビジネスシヨウでした。

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ビジネスショーではありません。ビジネスシヨウです。
名称にも古さが感じられます。


見本市の草分けの『ビジネスシヨウ』です。今年で58回目となり、終戦直後から始まった大老舗です。が、これは今後は問題のある見本市でしょう。
 そもそも、この見本市は企業の事務合理化を進めるために戦後から開始されたもので、新しい事務器機や計算機などを紹介してきました。コンピューター、パソコン、電卓などの事務用品を発表してきて、日本の高度成長を支えてきたのです。しかし、開始から58年目となり、この見本市は動脈硬化を起こしてきて、時代に合わなくなってきたようです。昔は事務器機を紹介する見本市は少なかったので、各社は競って出店していました。また、世の中の進歩もそれ程早くなかったので、年一回のビジネスシヨウでも十分に利用できたかもしれません。しかし、昨今ではパソコンやコンピューターのメーカーは、ホテルの会場を借りて独自に新商品を発表しており、わざわざビジネスシヨウに出店する必要性も無くなりました。また、技術の進歩が早くて、新商品は開発する都度順次発表していかなければなりません。年一回のこの見本市を待って発表するのでは遅すぎます。
 その他にも多くの要因があって、国内の事務機器メーカーはビジネスシヨウを見限ってきたようです。会場には一応は事務機器メーカーが出店してますが、どこも今までの付き合いで嫌々ながら出店したような雰囲気があって、並べてある商品は興味をそそるような新製品は見あたりません。出店者数が少なくなり、魅力のある商品が出品されていないとなると来場者は減少します。会場を見渡しても来場者はパラパラとなり、閑散としたものでした。
 今年は『ビジネスシヨウ』の看板名を小さくし、『IT&C/アドバンストオフィス2006』という見本市名に変更していますが内容は旧態依然でした。会場内を廻ってみるとアクビがでるような雰囲気でした。ブースには活気がなく、出品物には魅力が無く、ないない尽くしの場内でした。名前を変えても実態が同じであれば誰も来場しません。
 今年はビッグサイト西館の一階部分を借り上げたのですが、出店者が少なかったのでしょう、下段の写真にあるように会場の途中はボードで仕切られていました。本来ならばこのボードの裏側のスペースも出店用のブースを並べる筈だったのですが、参加希望者が少なくてこのスペースを埋めることできなかったようです。主催者の営業不足というよりも、会場の設営や運営内容に魅力が全く無くなってきたからでした。
 この見本市の主催者は日本経営協会と東京商工会議所なのですが、今までと同じ手法でビジネスシヨウをずるずると惰性で開催してきたようです。工夫や創意が見られず、出店者と来場者のいずれもから見放された見本市は早々に止めるべきです。半世紀の間続けてきたのですが、ここらでもう諦めるべきではないでしょうか。
2006年6月10日