福祉に新たに参入する中小企業もあり、その成果はどうだったでしょうか。

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大企業に立ち向かうにはアイデアしかないのです。

 毎年のように国際福祉機器展には新たな参入者を見かけられます。それほど目立つような商品ではないのですが、大企業では真似できないような小さなマーケットを狙ったものもあります。介護ベッドや車椅子のような大企業でしか製造できない商品を開発しても、最初から勝負は決まっているからです。その中から良いアイデアの商品が継続して売れつづけるのです。中小企業では、商品開発の発想が大切なのです。小回りがきき、量産かできないような商品を出品すべきでしょう。
 一段目の写真で、何だか人だかりがしているので覗いてみると、二段目のような写真の商品を展示していました。これは老人向けの指先のリハビリを兼ねた補助用具で、梱包に使われるプチプチに迷路を印刷したものです。迷路に沿ってプチプチを指で潰していくことで、指先の訓練になり、同時に頭脳の回復に役立つのだそうです。老人ホームでの時間潰しの遊具になるでしょう。
 三段目の写真では、一見すると陶磁器を出品しているように見えますが、これらの陶磁器は全て有名な作家による一品生産の食器で、極めて高価でした。これらの食器は、四段目の写真にあるように、全て壺のような形状をしています。この食器で料理をスプーンで取り上げる場合、食器の縁の内側で料理を引っかけることができるので、平たい皿に比べて障害者でも料理をすくい易いのだそうです。同時にスプーンも展示していましたが、五段目の写真のように先が左右に曲がったものでした。このような形状の介護用スプーンは他の食器メーカーでも販売しているのですが、このスプーンは木製で漆塗りなのです。単価は5千円以上もします。この企業では、高齢者であっても生活に余裕のある人達に高額な食器やスプーンを販売することを狙っているのだそうです。介護用品の差別化を考えているようで、高くても質の良い商品を開発しているのです。
 六段目、七段目の写真は花をテーマにした老人向けのリクリエーションを提案しているブースです。多種類の生花をテーブルに並べ、高齢者に好きな花を選ばせて、専用の花器にいけさせる遊びを提案していました。これも指先の運動をしてリハビリにつなげる訓練をさせるものです。この出店者の本業は、当然のように花卉問屋でした。
2015年10月22日