毎年開催される、宗教用具の即売市です。

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毎年のことなのですが、これからの季節は精霊飾りの用品が売れるのです。

今年も宗教用具、主に仏具なのですが、を即売する見本市に出掛けてきました。主催者は宗教用具専門の問屋で、来場者は関東周辺の仏壇屋、仏具屋です。このような即売市は全国各地で開催されているようなのですが、殆どが仏教関係の宗教用具ばかりです。キリスト教やイスラム教での宗教用具を販売する即売市は見たことがありません。日本の宗教信者は仏教が主流なので、仏具関係の用品しか売れないのか、他の宗教では宗派が独自に即売市を開催しているのか、理由は不明です。キリスト教やイスラム教の宗教用具を販売する見本市があるのならお知らせ下さい。
会場に入ると、一段目の写真のように仏像がズラーっと並べられていました。これらの仏像は全て売り物なのです。各仏像は中国、東南アジアでの手作りのものであり、一品生産のためにそれぞれでき上がりが微妙に違うのです。購入者は各仏像をじっくり観察し、出来具合の良いものを選んでいました。二段目の写真は、僧侶が仏事で手に持つ笏(コツ)であり、主に禅宗で使用されるもので、宗派によって形状が違っているそうです。
三段目、四段目の写真は、お盆の時に各家庭で使用される盆飾りです。いわゆる精霊棚と呼ばれるもので、ご先祖の霊を迎えるため普段は仏壇にある位牌を祭壇に移すためのものです。この盆飾りには色々な種類があり、これらはまとめてセットで販売されているようです。飾りの形状、種類は地方地方でそれぞれ微妙に違っていて、全国統一のものはないようです。素材は真菰であり、ほとんどが中国製でした。数百円程度の使い捨ての仏具であるため、人件費の安い中国でなければ生産できないでしょう。五段目の写真は組立式の精霊棚で、主に北関東でのみ使用されているとのことでした。
仏具には掛け軸もあり、教義や経文を描いたものもあります。印刷した掛け軸もありますが、いかにも安っぽい感じがします。一字一字、手で筆書きした掛け軸もあります。六段目の写真はその手書きの掛け軸を作成している実演です。一字づつ間違えないように確認しながら書いていました。途中で書き間違えたなら、全てをやり直すことになります。手書きの掛け軸が高価な理由が分かります。
七段目の写真は枯れ木ではありません。全てお香の原料となる香木です。東南アジアの山中に埋もれていた香木を掘り出してきたものです。お値段は、と見ると八段目の写真のようになります。1キロが3百万円であり、七段目の写真にある香木全部の価値は数千万円になります。近年は香木が減少しており、各国では輸出制限しているため、価格は年々上昇の傾向にあります。
2015年6月25日