小型の風力発電機。

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簡単に製造できても販路が見つからないのが実情です。

中小企業向けの見本市で必ず目にするのが小型の風力発電機である。風力発電は、太陽光発電、水力発電と並んで再生可能エネルギーの一つであり、原発や火力発電に頼らなくとも電力を発生することができるためこれからの産業に有望視されている。実際に、青森や北海道などの風の強い地域には風力発電機が多数建設されて稼働している。しかし、これらの風力発電機は高さが百m以上あり、羽根の長さも20m以上もある巨大なもので、製造メーカーも国内大手重電メーカーに限られている。見本市に出品されてくるのは、中小企業が試作した小型の風力発電機ばかりである。
一段目の写真の右側には強化樹脂製の一対の羽根を付け、軸が垂直な発電機である。この試作品は出品される風力発電機では設計、製作も立派な方である。一段目の写真の左側にあるのは別の会社の試作品で、軸は垂直であるが羽根は亜鉛鋼板を溶接しただけの簡素なものである。二段目、三段目の写真では、それぞれ飛行機型の発電機であり、風によりプロペラを回転させて発電する構造である。四段目の写真は冗談のような構造であった。羽根の部分がビニール傘であり、これで風を受けて発電機を回転させるものである。その売り物は、「風で羽根(ビニール傘)が壊れても、安く交換できます」ということなのだそうである。こんな玩具のような発電機を購入しようという人はまずいない。
五段目の写真は実際に製品として発売されている小型風力発電機である。ポールの上端に羽根を付け、発生した電力でその下にある街路灯を点灯させるものである。1基の価格は三百万円以上、発電能力は百ワットである。

毎年のように小型の風力発電機の新商品が出品される理由は、その構造が簡単で、多少の機械工学の知識があれば製造できることである。羽根は自作するとしても発電機は市販のものを購入し、回転軸に羽根を組み付ければ完成する。しかし、販売では大きな問題点が残っている。

この続きは拙著「くたばれベンチャー」をお読み下さい。

kutabare

タイトル 「くたばれベンチャー!モノづくりニッチで起業」

出版社  株式会社秀和システム
定価   1500円(税別)

内容の詳細とご注文は下記のホームページをご参照下さい。
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/4593.html

2014年8月4日