加工する企業の裾野が広いので、加工機のメーカーも多様なのです。
意外なことでしたが、金属板を加工するための専用機械は世界各国で製造されているのでした。日本国内で開催される金属加工機の見本市なので、日本の工作機械のメーカーからの出品が大半か、と思ったらヨーロッパ、東南アジアなどからもそれぞれ独特の機械が出品されているのでした。能力、価格、使用目的によって顧客が必要とする加工機が違ってくるので、世界から日本に向けて製品が輸出されているのです。高精度の加工機であればヨーロッパから、精度は落ちるが価格が安い加工機であれば東南アジアから輸入され、それぞれのメーカーが棲み分けされているようです。
一段目と二段目の写真は、薄板を丸く加工する機械で、球形になった治具を上下に振動させ、薄板を少しづつ変形させるものです。日本でも昔からハンマーで薄板を叩いて変形させる加工方法がありました。それをブレス機で半自動的におこなおうとするのがこの機械です。この機械はスイス製なのですが、世界で一社しか製造していないとのことでした。単純な能力の機械なのですが、世界的にもそれほど多くの需要が無いためのようです。
三段目の写真はロール状になった金属薄板を連続してプレス加工する機械で、これは台湾製でした。四段目の写真は薄板の表面を磨いていく機械で、デンマーク製です。五段目に写真は、タコのような蛇腹のホースが延びているのですが、ホースの先にある吸引口で粉塵を吸引し、本体の中にあるフィルターで捕捉する機械で、スエーデン製でした。構造的には簡単なのですが、日本製はまだ無いそうです。
2013年8月5日