関東圏の中小企業のお祭りです。

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今年は出店者の質が向上してました。


 中小の製造業者の祭典である「産業交流展」にでかけてきました。この見本市は東京都を中心にした関東4県と、東京都にある中小企業支援団体が共催して毎年開催されるものです。関東地方で活躍する中小企業にその技術・製品を発表させようとする役所の親心で、出店料が極めて安い(5万円)のが特徴です。民間会社主催の見本市であれば30万円以上するのがこの価格なので、やる気のある中小企業主であっては出ないわけにはいきません。このため、出店の審査・選抜では結構厳しいものがあったようです。
 産業交流展は今年で13回目なのですが、2008年までは2日間でしたが、2009年より3日間の開催となりました。また、出店者も2008年は749社でしたが、2009年には816社に増加しています。今年の出店者は744社と昨年より減少しています。しかし、二段目の写真にあるように、会場内は細かにブースが区切られていて、多数の出店者のブースが並んでいて、昨年よりも密集しているような気がします。また、来場者は2008年に4万2千人、2009年には6万2千人に増加したのですが、今年は5万3千人と少し減少しています。だが、3段目の写真にあるように来場者は多く、活気に溢れていました。昨年の同じ会場内の雰囲気に比べると、出店者が熱心であり、出品の質も向上しているような気がしました。昨年の交流展に出品された製品では、どう考えても売れそうにないような試作品も見かけられましたが、今年はそんな遊びのような商品は見当たりませんでした。申し込み者が多く、審査が厳しくなったのではないかと思われます。
 出店者、来場者の数字と会場内の雰囲気が違っているのは次のような理由が考えられます。昨年の会場では、申し込みをしたのだが当日になってキャンセルしたブースが目立っていて、会場内は閑散としてました。今年は出店者数は少なかったのですが、一社が借りるブースの数が複数の企業もあり(例えば、一社が3ブース、4ブースと広く借り上げている事例が見られた)、企業数は減少してもブースの密集度は昨年よりも高くなったのではなかろうか。もしかすると、主催者は2009年の来場者の人数を正確に出しておらず、盛況にみせかけて水増ししてるのではないか、と勘繰りたくなった。
 また、来場者数は減少しているようにみられても、背広ネクタイ姿の来場者が目立っていた。これは上場企業や大企業のサラリーマンの来場ではないかと推測される。大企業であっても、商売のネタや商品の仕入れをするためでしょう。要するに、不況が長引いていて、出店している中小企業が仕事を探すのに必死なら、会場に来て商談をしたい大企業も必死なのである。こんな憶測から、今年の産業交流展は熱気があるものでした。
 四段目の写真は、足立区が一括して一列のブースを借り上げたもので、足立区にある中小企業が揃って出店してました。この他にも江東区や川口市などの地方行政団体が一括借り上げしているブースがあちこちに見かけられました。
 関東圏にある地方自治体が主催している産業交流展なのですが、会場内には外国企業のブースも見かけられました。五段目の写真はヨーロッパからの出店者のブースの列であり、六段目の写真は東南アジアの各国の企業、団体が出店しているブースの列です。しかし、首都圏にある中小企業を対象とする見本市であることから、外国の企業を誘致する必要はないと思われます。それよりも、この外国企業用のブースを廃止し、出店したくともできなかった日本の中小企業のために貸し出した方が良いのではないかと思われます。国内産業支援のためには、まず国内の中小企業が製品・技術をアッピールする場が必要なのです。
2010年11月23日