上海万博 その6

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コンピュータグファフィックでは飽きてしまいました。


全てのパビリオンに入館できた訳ではないので、総評はできないのだが、私が感じた上海万博の各パビリオンの展示方法、内容についての感想を述べる。まず、第一は国の力によって展示する内容のレベルが相違することである。レベルというよりは、その国の企画力ではなかろうかと思われるのだが。
一段目の写真はベトナムのパビリオンで、二段目の写真はその内部の装飾である。ベトナムの特徴を印象づけるような装飾にはなっているのだが、入館してホールを見たらそれでお終い、という印象であり特に感銘は受けない。ベトナム館ばかりでなく、東南アジア、アフリカなどの後進国でのパビリオンはどこも似たような内容であった。国力、資力が無いから仕方が無いのかもしれない。
次に印象に深いのは、どのパビリオンでも映像、特に大型スクリーンを使ったコンピューターグラフィックによる作画が多かったことである。三段目から六段目の写真は、何れも中国関係のパビリオンの内部であり、大型スクリーンにこれでもかこれでもか、という風に中国の進歩と先端技術、国力を見せつける映像を流していた。内容についてはどれも同じようなもので、2、3のパビリオンを見てしまうと飽きてしまった。数秒、長くても2分以内の動画を観客に見せて、そのパビリオンが主張したい内容を訴えようとするのだから、大画面は迫力があるが映像そのものはせわしなくてさほど理解もできないうちに終わってしまう。これは何のための映像なのか不思議に思われた。
各国のパビリオンではそれなりの工夫を凝らしてあるのだが、終極的には「その国の国情を中国人に理解させる」ということが目的のようだ。何のことはない、中国人に外国を知らせて、観光客を誘致するようなものである。これでは日本で開催している「世界旅行博」と全く同じ趣旨となってしまっている。わざわざ上海まででかけて世界各国の事情を理解するのは全くの無駄であるような気がした。私が今回上海までお上りさんよろしく出かけたが、見応えのあるのは全くなかった。この旅行は失敗だったとしか思えない。残念至極といったことが結論である。
また、中国関係のパビリオンでは、現在の中国の国力の誇示と、将来の中国の生活水準を予想する計画が説明しているのが殆どであった。中国政府が全国から来場する中国人に生活向上を提案しているようなもので、政府の宣伝の博覧会とも言えるかもしれない。逆に言えば、中国政府は中国人に将来の夢と希望を与えたのが今回の博覧会の一番重要な目的かもしれない。
2010年10月1日