自動車社会で必要かどうか考えてみましょう。

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こんなアイデアがあってもいいのですが売れないでしょう。


 自動車のフロントガラスの模型に前方から水を噴出させ、実演しているのは新型のワイパーの発明なのです。台風、集中豪雨などの時には雨量が極端に多くなり、ワイパーでガラスを拭いても前方が見えません。そこで、このワイパーでは切り換えることで回動速度を二倍とし、急いでガラスを拭き取ることができるようにしました。これなら大雨であってもガラスの雨水を拭き取ることができます。
 構造的には比較的単純なもので、ワイパーを回動させる支点の位置をずらし、モーターは同じ回転速度なのですが、往復動を二倍にさせていました。つまり、扇型に回動するワイパーの回動角度を半分にして、その速度を倍にしたと考えればよいでしょう。 
 この新型ワイパーを考えた人は模型の横にいましたが、この人はこの商品を製造するのではなく、自動車会社などにライセンスしていきたいと説明していました。だが、このような新型ワイパーを採用してくれる会社はあるでしょうか。どの自動車会社も部品の1点について数十銭を安くするため必死に研究しています。このような商品を高い費用を出してまで購入することはないでしょう。また、一年の内で数回あるかないかの大雨のために、どの自動車にも新型ワイパーを標準装備することは無いでしょう。一般の消費財では、最大公約数の用途にだけ使える機能しか持たせていないからです。
 この商品のアイデアは楽しいのですが、採用されることは無いでしょう。
2008年12月8日