思わぬ用途にニッチと判断しました。

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最初は余り関心を持たなかったのですが、説明を聞くと「なるほど」と思わされました。


 「産業交流展」の会場で見つけた新商品です。ゴミの重量を測定する機械です。上段の写真にあるように、一般に見慣れたデジタル体重計のような形をしています。下段はゴミ袋の重量を測定している状態を写したもので、測定器にゴミ袋を持ったまま乗り、重量を計測します。その後、人物だけの重量(体重)を計測して、差し引けばゴミ袋の重量が算出できます。ゴミ袋を持ったままと手ぶらの状態では重量が変わり、ゴミ袋だけの重量が算出できるのは当たり前のことです。この機械では、その測定結果を無線LANでパソコンに伝達できる機能があり、価格は38万円であるとのこと。
 最初にこの機械を見た時に、ゴミ袋の重量を計るだけのための機能があるだけで、売れるのかどうか疑問に思いました。重量を計測するだけであれば、こんな機械を買わなくとも量販店で数千円の体重計を購入すれば良いはずです。しかし、出店者にいろいろと尋ねて見ると、なるほどな、と関心させられました。このへんてこな機械はちゃんとした需要があるのです。
 例えば、多数の小さな小売店が並んでいる共同市場では、ゴミを捨てるにはその捨てた重量により処理費用が必要となります。今までは、毎月のゴミ処理費用から小売店の数で頭割りでして負担していましたが、ゴミを大量に出す小売店とそうでない小売店では不平等となります。このゴミ重量測定器を共同市場のゴミ捨場に置き、各小売店から出るゴミ袋の重量を計測し、その総合計により毎月のゴミ処理費用を按分すれば極めて明瞭会計となるのです。出したゴミの重量に比例して処理費用を負担するのであれば誰からも文句はでないことになります。こんな用途に、このゴミ重量測定器が必要となってくるのでした。この機械は多数は売れませんが、全国では必要としている人達がいたのです。これぞまさしくニッチ商品なのでした。
2006年10月29日