身の回りにあるキャラクターや漫画の使用許諾をする見本市です。

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著作権や商品化権をライセンスするための見本市です。
販売する商品はありませんが、キャラクターなどの画像は豊富でした。


 「ライセンシングアジア」という変わった見本市にでかけてきました。この見本市では、それぞれのブースにサンプルや有体物を展示しているのですが、直接販売する商品が無いのです。各出店者が販売するのは、キャラクターや漫画の主人公、デザイン、映画のシーン、記録写真などの著作権、商品化権のライセンスなのです。キャラクターをTシャツに印刷するような場合には権利者から許諾を受けて製作できるのですが、そのためには権利者(或いは、総代理店)から許諾の契約を交わさなければなりません。この見本市では、その許諾しても良い著作物、キャラクターなどを展示していて、販売するような形のある商品は一つもないのです。いわば、「許諾の契約書」がこの見本市での商品と言えるかもしれません。
 会場内にはすでにあちこちで見かけた馴染みのあるキャラクターや漫画から、これから売り出すキャラクター、写真などが展示されていました。こんなものまでもがライセンスの対象となるか、と思わせるような著作物までもが出品されてました。今やライセンスビジネスは巨大なマーケットなのです。
 二段目の写真は外国企業が保有する写真素材や映画などをライセンスする出店者で、三段目の写真は見たとおりの漫画の主人公をライセンスする出店者であって、四段目の写真は著名なキャラクターの着ぐるみをつけて宣伝している出店者です。これらは従来から知られているライセンスの対象なので理解できますが、他の出店者には少し理解に苦しむようなライセンシングをしているところもありました。しかし、権利意識が強くなってきたため、人が考えたアイデア、著作物であれば何でもライセンスできる、と考えた方がいいのではないでしょうか。
 会場で気がついたことなのですが、東南アジアからの出店者が増えてきたことです。従来までは、アメリカやヨーロッパからキャラクターや商標をライセンスするのが通常であり、青い眼をしたデザイナーの作品が尊重されていたようでした。しかし、東南アジアからは日本のマーケットにデザイン、キャラクターを売り込もうと乗り込んできていました。四段目の写真は韓国の数人の学生デザイナーが出店していたブースです。日本でライセンスをしてみたいようでしたが、日本のキャラクターとは少し雰囲気が違っていて、日本人に受けるかどうか少し疑問です。この他にも韓国からはライセンシングをしたい出店者がブースを出していましたが、中国からの出店者はいませんでした。中国はライセンシングビジネスでは未だ後進国であり、外国にまでライセンスできるようなオリジナルの著作物がないのでしょう。しかし、これからはシンガポール、香港などからはライセンシングしたい出店者が出てくるのではないでしょうか。
2006年10月27日