月刊信用組合の連載は終了しまた。

誠に残念ですが、ニッチ企業を取材してきた連載が終了しました。
短い間でしたがおつきあい有り難う御座いました。


 昨年4月より『月刊信用組合』に連載してきました『ニッチでリッチ』は今月をもって終わりとなりました。取材しておきたい企業が沢山あったのですが、編集部の方針で継続が不可となり、誠に残念でした。
 これまでの私の雑誌での掲載体験は次のようになります。
 ① 月刊φ(ファイ)  富士総合研究所
   1998年1月~1999年12月  2年間
 ② 日経ベンチャー   日経BP社
   2003年9月~2004年8月   1年間
 ③ 月刊信用組合    全国信用組合連合会
   2005年4月~2006年3月   1年間
 私個人としては、細く長く多数の中小零細企業を取材し、その企業を文字にして発表していきたかったのですが何時も短期で終了してしまいます。雑誌掲載の目的があれば見知らぬ企業であっても容易に取材を受け付けてもらうことができ、企業の内部事情を調査分析することができます。取材先が多ければ企業研究のケーススタディも多くなり、私のニッチ企業研究の蓄積が増えるのですが。
 では、何故ニッチ企業の取材が雑誌に掲載され難いか、その理由を考えてみました。私の取材企画はユニークであることから編集部では採用されるのですが、読者からの反応が悪いのです。従業員が数名から二十名程度の零細に近い企業を取り上げても、平凡な読者にとっては関心が薄いようです。隣近所でも見かけられるような小さな規模の会社の分析は余りにも身近な話題であり、楽しみが無いからでしょう。二、三億円程度の売り上げの企業の成功談であっては、『小金持ちになった親父の自慢話は聞いても参考にならない』という心理が働くのでしょうか。それよりも、急成長していくベンチャー企業や先端技術を駆使した研究開発型企業の取材記事の方に人気があるようです。短期で巨大な利益を生むベンチャー企業や、これからの生活を変えてしまう先端技術のある企業の方が『夢』があり、読んでいて楽しいからでしょう。
 ベンチャー企業の記事は楽しいものであり、読んでいて将来の明るい夢が沸いてくるものでしょう。しかし、国内にある中小零細企業の殆ど(99.999%)は上場することもなく、零細なままで終わってしまうのです。『夢』だけを頭の中に幻想しても腹は膨れません。小さくとも地道に稼いでいる中小零細企業を真似し、夢を現実のものにしてみて頂きたいものです。
 あえて比較するならば、経済雑誌に掲載されているベンチャー企業の成功談は『女性自身、女性セブン』であり、私のニッチ企業の成功談は『暮らしの手帖』ではないでしょうか。どうか、私の『暮らしの手帖』的な記事を掲載して頂ける雑誌をご紹介して頂けないでしょうか。
2006年3月19日