2008年10月20日
●見かけることは多いのですが実際は。

どこでも見かけたのですが、内情は別のようです。
そば産業展では、出前のおかもちをバイクで運ぶための「出前運搬機」を見つけました。バイクの荷台にこの装置を固定し、料理を入れたおかもちをこの装置で吊り下げ出前するものです。そば屋に限らず、ラーメン屋、寿司屋などでも使ってます。全国のどこの街角でも見かけられる装置です。ところが、この装置を製造している会社は全国で2社ほどになってしまったそうで、相当にマイナーな商品になっているそうです。
その原因として、構造が単純で簡単には壊れないため、新規の購入者が少なくなってしまったこと、と、出前が流行らなくなったことのようです。以前はあちこちの業者が製造していたらしいのですが、販売台数が減ったので採算の取れない業者は製造を中止してしまったのです。また、最近は出前よりも、家族でドライブインやレストランに出掛けて食事する傾向があり、自宅にまで出前を頼むことが少なくなったからでしょう。
その内に、この装置は骨董品となるかもしれません。
2008年10月19日
2008年10月19日
●料理店の業界でも温暖化防止です。

これからは珍しくなくなるのでは。
そば産業展では初めて見つけたブースで、「そば屋から廃棄される食用油を回収します」という会社です。運送会社が出店していましたが、この会社はそば屋で使い終わった天ぷら油を有料で引き取る、とのことです。回収したてんぷら油は精製してトラックの燃料に使うのだそうです。
地球の温暖化防止を狙ったものですが、そば屋の業界にもこのような回収業者が出現したのは驚きです。有料(1キロ数円らしい)でてんぷら油を回収しても十分に元が取れるようです。これからは料理店関係の見本市、食品関係の見本市にはこのような回収業者のブースが多数みかけられることになるでしょう。
2008年10月19日
●町のそば屋さんの見本市です。





小さな町のそば屋さんが頼りにしている唯一の見本市なのです。
都内の某所で開催された「めん産業展」に出掛けてきました。規模としてはビッグサイトの見本市と比べて小さく、出展者も少ないのですが、都内での麺業者(主にそば屋であり、うどん屋も少数は含まれる)が頼りにしているものです。この見本市以外にはそば屋を対象とした見本市が無いのです。食品機械展や食材見本市はあるのですが、それらはどちらかと言えば給食センターやチェーン店に向けた大量供給、大量消費の料理店を相手にしたものなのです。夫婦二人で営業していたり、家族だけで営業しているような町のそば屋には向いていません。
この見本市では、町のそば屋、うどん屋の経営者が来場するのです。ただ、困ったことに、町のそば屋は高齢化しているため、来場される方にはおじいさん、おばあさんが目立つのです。若い人も来場されているのですが、影が薄いようです。しかし、潜在的には若い(中年か)がそば屋業界に参入しているのも事実であり、これから来場者の年代が若くなることを期待しています。新規参入者はこの見本市ではなく、個別に道具や材料を仕入れているようです。
二段目の写真は玄そばをそば粉にひくための自動製粉機を出品しているブースです。昨今の高級そば屋では、自家製粉、自家製麺が主流となっていて、玄そばを仕入れて製粉し、手打ちでそば麺を製造するのが主流となっています。そば屋の裏側にはこのような機械が設置されているのです。製粉機を出品しているブースはこの他にも多数あり、大きいのから机の上におけるような小さなものまで多数種類がありました。それぞれ特色があるようで、そば屋は好みにあった製麺機を購入しているようです。
三段目の写真はそば屋が使う各種の道具を出品しているブースです。最近は素人のそば打ちが流行っていて、このようなプロが使う道具を趣味の人達も求めているようです。実を言うと、そば屋の業界には素人からの参入が多くなっているのです。趣味でそば打ちをしている内に本格的にそば屋を開業してみたくなった人や、脱サラしてそば屋を開業する人が増えているのです。従来からあるそば屋の多くは、伝統のあるそば屋で修行して暖簾分けして独立するタイプが大半でした。しかし、最近の傾向では、そば屋で修行もせずに独学でそばの調理方法を研究し、そのまま開業する人が多いのです。このようなタイプの人達は、「美味いそばはなんであるか」をひたすら追求していく性格の人がほとんどなんだそうです。従来の町のそば屋では、「どうした沢山儲かるか」を追求するタイプが多いようで、旧態依然(とまでは言わないが)の営業方針を守っているのだそうです。だが、趣味から始まった新規参入組のそば屋は、儲けることも目的なのですが、他店よりも美味いそばで頭角を表そうという意識があるようです。いわば、そば屋の業界に殴り込みをかけてきたようなものですが、このような研究家タイプが増えていけば業界の活性化になると思うのですが。
四段目の写真はオーダーメードの暖簾屋のブースです。どのそば屋もそうですが、店の入口には暖簾がかけてあり、それには店名が入れてあります。この暖簾屋は注文を受けてから名入りの暖簾を製造しています。結構高いのですが、そば屋にとっては必要品のため必ず注文があるようです。この他にも、そば屋専用の容器、お土産用袋などのブースが出店していて、この見本市を一回りするだけでそば屋に必要な機械、商品を入手することができます。お金を持ってでかければ、誰でもそば屋を開店することができます(そばが美味いか不味いかは別として)。
五段目の写真は、そば屋で出される「種物」の素材を冷凍食品として供給している会社のブースです。そばの上にかけるネタ(けんちん汁、かも南蛮など)が冷凍されてそば屋に供給されています。つまり、そば屋の台所では、ビニール袋に入ったネタを湯せんで温め、丼の上からかけるだけで料理ができあがってしまうのです。これは別に珍しいことではありませんが、このブースの上の方を注意して見ていただくと、料理のビラが垂れ下がってます。この食品会社では、冷凍食品を買ったそば屋にはこのビラをおまけで付けているのです。ビラの下には「 円」という白地の部分があり、この白地の部分にそれぞれのそば屋が定価を書き込むようになっています。こうしてみると、全国のそば屋で出されるネタとビラは同じものとなり、どこのそば屋に入っても同じビラを見て注文し、同じ冷凍食品のネタを食べることになります。寂しいと言えば寂しいのですが、これも流通の変化で致し方ないことでしょう。
2008年10月19日
2008年10月02日
●大手が進出しないぬくもりのある車椅子です。

機能よりもデザイン重視の車椅子があってもいいのでは。
福祉機器の展示会なのですから、当然のように車椅子の出品も多いのです。特に、電動車椅子の出品者が極めて目立ちます。車椅子の業界では電動でなければ車椅子とは呼ばなくなったのでしょうか。介護保険が実施された10年程前の福祉機器展では、電動、手動を問わず車椅子の出品会社が多数ありました。地方の鉄工所のようなところから、個人で開発しているところまで、この機会に車椅子を売ってみようと数十社も出品していました。会場ではさながら、中小企業による車椅子の展示場のようになっていました。各社それぞれ工夫を凝らしているように見せかけるため、二人乗り車椅子とか親子車椅子などとかのような変形した商品までも出品していました。しかし、2、3年もするとそれらの雨後の竹の子のような新参組は消滅し、展示会には出てこなくなりました。思いつきのようなアイデアで出品しても売れないことが判ったのでしょう。それで、昨今の見本市では一応はそれなりの形態があるメーカーが車椅子を出品するようになり、落ちついてきました。何でもブームに合わせて商品を開発すれば売れるのではないか、という考えは全くダメだったことが判ったのでしょう。
昨今の車椅子の出品社は、昔からの専業メーカーや自転車メーカーなどからが殆どで、それなりの技術力や販売力のあるところです。構造的にも良く設計されていて、軽くて壊れ難いものばかりです。地方からポッと出てきたような中小企業では太刀打ちできない状況となっています。それはそれで、消費者にとってはいいことで、信用力があってアフターサービスの良いメーカーからの車椅子の方が使い易いでしょう。
そのような大手のメーカーからの車椅子であっては、丈夫で長持ちし、故障しても修理体制が整っています。しかし、その反面、大量生産に主眼を置くため、車椅子に個性が無くなってきています。どのメーカーの車椅子も似たようなものです。そこで、この出品者は機能よりもデザインを重視した電動車椅子を出品していました。駆動部分は下半分にまとめ、上半分には木製の椅子を固定してあります。木製であることから金属製の椅子に比べて柔らかさがあり、馴染みやすいと言えます。駆動機構の能力は大手メーカーに比べて劣るかもしれませんが、毎日使っていて楽しくなる車椅子もいいかもしれません。
2008年10月1日
2008年10月01日
●家庭用品はシンプルでなければなりません。


家庭用品は電動であってはなりません。
構造が簡単で手動なければ使えません。
これは便所の壁に取り付けて、片手でトイレットペーパーを切ることができるペーパーホルダーです。太い棒にトイレットペーパーを差し込み、ペーパーを垂らします。その垂らしたペーパーを手で持って回すことで細いバーに接触させ、そのバーに固定してある刃でペーパーを切断するようになっています。極めてシンプルで、便利な商品です。
以前に、電動でトイレットペーパーを繰り出して、電動カッターでペーパーを切断する自動ペーパー供給ホルダーを紹介していましたが、あの商品は電池や電源が必要です。この商品は全く動力を必要としないため故障することも、電力を浪費することもありません。電動式は一見すると便利でありますが、それほど便利なものではなく、日常で使用するには中途半端な能力しかありません。その商品を開発した人は、便所での使用に革命をもたらす、と力説してましたが世間はそんなに甘くはありません。電動式ホルダーを生産、販売している会社は国内に2社ありますが、この理由が判っていないようです。使う者の目線に合わせて商品開発すべきであったのではないでしょうか。
今回の新商品は誠に巧妙に設計してあります。動力を使わないため、長期に使用しても一切経費がかかりません。また、構造が単純なので壊れにくいものです。家庭で使うものは便利ではあっても壊れず、長期間の使用が可能な商品しか受け付けられないのです。
2008年10月1日
●少数ですが使いたがる人もいると思います。


畳での生活になれた高齢者にとっては重要でしょう。
寝たきりとなった高齢者のためには電動のベッドが多く使われます。しかし、ベッドであると高齢者が床に落ちたりして危険です。また、老人によっては畳の部屋で寝たいという人も多いものです。
そこでこのメーカーは、畳んだときに高さが極めて低くなる電動ベッドを開発しました。高さを縮めると14センチとなり、畳の上で使っても違和感がありません。この程度の高さであれば、高齢者が畳の上に落ちても怪我をすることはないでしょう。多くの人が使うとは思われませんが、こんな低い電動ベッドを使わなければならない家庭もあるのではないでしょうか。
2008年10月1日
●簡易トイレを使う人のための商品でしょうか。


簡易トイレは家庭では使うのが嫌がられます。
これで汚物を扱うのが楽になるでしょう。
福祉機器展では、何時も介護のための簡易トイレを見かけます。椅子を改造して便器を収めたものが沢山見かけられます。製造するのが簡単なために、あちこちの木工所で製造しているようで、全国では何軒のメーカーがあるのか判りません。だが、これらの椅子型の簡易トイレは使用する人のことを全く考えにいれていないようです。部屋の中に簡易便器を置いて使用したらどうなるでようか。部屋に臭気が漂い、あまりいい気持ちにはなりません。また、排便を処理する人にとっても嬉しいことではありません。匂いの発生している便器を便所まで運んで処理するのは厄介なものです。
そこでこんな商品が開発されました。椅子型の簡易トイレの中に入れて、汚物を袋の中に落とし込み、袋を密封して処理するものです。ビニール袋の中には凝固剤が入っていて、汚物を固定化させます。そして、付属の紐で入口を縛ることで密封してしまいます。あとは、家庭ゴミとして廃棄すればいいことになります。これなら汚物を処理する介護人にとって便利であり、嫌な思いもしないでしょう。ただ、単価が高いのが欠点です。安くなれば多くの家庭で使われるでしょう。
2008年10月1日
●部品メーカーの進出もめざましいようです。


介護用品も組立キットのようになりつつあります。
今年の「国際福祉機器展」で感じたのは、部品メーカー、部材メーカーからの出店が目立つことです。従来は完成品の出品ばかりであり、介護のための製品ばかりでした。しかし、今年はその完成品に使用するための部品や部材のメーカーも多数参加していました。一段目の写真は電動ベッドのスライダーを出品しているブースであり、二段目の写真は電動ベッドや電動車椅子などに使用するための電動アクチュエーターを出品しているブースです。電動ベッドや電動車椅子などの製造では、プラモデルのようになってきていて、部品を集めてくるだけで組み立てることができる社会となっているようです。つまり、誰でも(組立てる能力のある技術があることが条件ですが)が、介護機器を製造できるのです。だからと言って、部品を集めてきて組み立てた電動ベッドや電動車椅子が売れるという保証はありません。しかし、豊富な部品メーカーが素材を供給していることから、自分仕様の介護機器を組み立てるとが容易となってきていることは確かです。将来は、自宅の車庫を改造して特注品の介護機器を組み立てるガレージメーカーも出現するかもしれません。ただし、同じような業者も増えるために利益が上がるとは考えられませんが。
2008年10月1日
●毎年参加企業、来場者が増えている見本市です。





特殊な商品なので、ここまでこないと新製品を見ることができないようです。
障害者や高齢者のための機械、器具、消耗品などを展示する「国際福祉機器展」に出掛けてきました。この見本市が他の見本市と雰囲気が違うのは、二段目の写真にあるように車椅子の来場者が目立つことでしょう。この見本市の来場者は、老人ホームや介護施設の職員が多いのですが、それらと同数位の障害者や高齢者が来場しています。福祉用品、介護用品は一般的ではなく、特に展示している店舗も少ないために、実際にそれらの用品を使っているエンドユーザーも新商品を品定めするために来場しているのです。会場には来場者が溢れるように歩いていて、盛況でした。最近の見本市では来場者が減少しているところもありますが、この見本市だけは毎年来場者数が増えているようです。
この福祉機器展は毎年盛大になっていき、出展者も増えています。高齢化社会がもうきていて、実際に福祉機器を必要とする家庭や施設が増えているからでしょう。また、介護保険や障害者向けの給付金が増額となっていて、これらの保険金、給付金を目当てにして多数の企業が参入しているからでもあります。福祉機器と言っても実は生活のための用具や器具であり、生活全体に関わるためにありとあらゆる業界が加担しています。例えば、高齢者や障害者向けの衣類や日用雑貨などの軽産業から始まって、障害者用の自家用車などの重工業までの業界がそれぞれ特殊仕様の商品を出品しています。つまり、健常者が日常使う商品と同じ種類だけの福祉用の商品が開発され、販売されていると考えればいいでしょう。
三段目の写真はベッドでの排泄補助装置です。実演をして説明していましたが、介護施設の現場ではこんな風景となっているのでしょう。四段目の写真は、ゴーグルにより映像を見せているもので、徘徊老人がどのような行動をするのかをバーチャルリアリティーの画面で体験させようというコーナーです。痴呆症の出た老人が見ている世界を画像によって体験させていました。五段目の写真は、老人介護向けの食器を展示しているブースです。身体の不自由さに合わせて、使いやすいデザインの食器が出品されてました。このブースの他にも生活に必要な商品、雑貨が出品されていて、これからもあらゆる商品が介護用、障害者用に開発されていると感じられました。
あらゆる業界から参入している原因としては、介護保険の総額が巨大であることが考えられます。他の産業と違って、景気不景気にかかわらず、必ず保険から代金が回収できるという甘さがあるからです。介護用品に指定されると、それなりの利益が確実に確保できるからでしょう。こんなに多くの介護用品が出回ると、介護保険の支払いが多くなり、次の社会問題となりそうです。
2008年10月1日