2005年03月01日
●見本市でニッチ企業を探す
連載が決まったので、まずは取材先を見つけることになった。
ニッチ企業が集まりそうな見本市にでかけることにした。
この件は拙著「大商談」に詳しく書いたのでご参考にしてください。
雑誌に原稿を掲載することは決まったが、取材先を見つけなければならない。隙間商品を製造しているニッチ企業である。一般には知られていない隙間商品を製造している中小零細企業を見つけるためには、どのような方法があるだろうか。新聞、雑誌などでは広告されていることは少ない。業界紙、専門誌には広告が掲載されていることもあるが、業界紙は数千種類あるといわれる。一つ一つをつぶさに読んでいたのではきりがない。また、インターネットなどでも検索できるような企業ではなさそうである。
あれこれと取材先を見つける方法を考えていたら、ニッチ企業と出会うことができる方法があることに気がついた。『見本市に行ってニッチ企業を見つけよう』というものだった。見本市では規模の大小を問わずに、各種に企業が参加している。ここでは見本の商品を出品しているため商品の実物を手に取って観察でき、出展者から直接説明を受けることができる。中小企業が出店しているブースでは、その企業の社長自身が待機しているため、企業の経歴や業績などを聞き込むこともできる。社長と会話しながら、社長自身の人間性も観察することができる。私が決めた条件に適合する取材先を見つけるには、まさに理想的なものである。
こうして、雑誌に連載する半年前から見本市にでかけ、取材先を探し出す作業が始まった。しかし、これは大変な作業であった。
東京付近で見本市を開催している施設は、東京ビッグサイト(江東区青梅)、幕張メッセ(千葉市)、パシフィコ横浜(横浜市)などがある。この他にも小さな施設で細々と開催している見本市も数多くみられる。各施設から発行される見本市の予定表を眺めながら、私の取材目的に適合したニッチ企業が出展していそうな見本市を選んで見学に行くことにした。まず、各見本市会場から発行されている予定表を入手するのだが、これが結構手間であった。その施設にまで出掛けなければ入手できず、うっかりするとその月の予定表を入手するのを忘れてしまうこともあった。
さて、東京付近に存在する数多くの見本市会場の中で、東京ビッグサイトは年間開催回数が一番多い施設である。国内で開催される見本市の80%はビッグサイトではないかと推測される。これは東京駅から一番近いことで、ビジネスマンが通いやすいからである。他の理由として、東京ディズニーランドに近いことがあげられる。地方都市から見本市を目当てに上京した家族連れでは、一日を見本市会場で過ごし、次の日を家族全員でディズニーランドで遊ぶことができるからであろう。小さな施設で開催されている見本市も面白い内容のものがあり、棺桶の見本市やラブホテルの見本市は大きな施設では開催されていなかった。
私はあちこちの見本市会場に出掛けたが、結局のところ、一番多く通ったのは見本市開催回数が多い東京ビッグサイトであった。平成10年頃では、新宿からビッグサイトへの交通の便は極めて悪く、東京駅からバスで出掛けるか、新橋からゆりかもめで出掛けるか、浜松町からバスででかけるかの方法しかなかった。新交通機関の『ゆりかもめ』は比較的気持ち良く移動できるが、切符代が馬鹿高かった。一番安い方法は浜松町からのバス便であった。新宿から浜松町まで山手線に乗り、浜松町からビッグサイトまでバスに乗ると1時間20分以上もかかった。現在は、JR埼京線直通の『りんかい線』が開通し、新宿からは30分程度で到着できるようになり、便利になった。当時は朝10頃に新宿を出発し、見本市が終わってから新宿に戻ると夕6時過ぎになり、都内を小旅行するようなものであった。
2005年3月1日
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